クラウドファンディングを受け入れる法人側の法人税、消費税の取扱い

概要

 クラウドファンディング(インターネットを通じて不特定多数の人から資金を集める方法)の類型としては、大きく分けて、(1)寄附型(金銭的リターンのないもの)、(2)金融型(金銭リターンが伴うもの)、(3)購入型(何らかの物品やサービスを購入するもの)の3つに分類されますす。

(1)寄附型(金銭的リターンのないもの)

 受入側の法人は、受け入れた資金を受贈益として処理することとなります(法法25の2②)。消費税は不課税となります。

(仕訳)
現金預金 〇円  受贈益 〇円

 支援者にお礼の品物等を提供した場合には、交際費となります(措法61の4⑥)

(仕訳)
交際費 〇円  現金預金 〇円

(2)金融型(金銭リターンが伴うもの)

 受入側の法人は、受け入れた資金を借入金として処理することとなります。

(仕訳)
現金預金 〇円  借入金 〇円

 支援者に受け入れた資金を返す場合は、借入金の返済とします。また、利息を支払う場合は、支払利息として処理することとなります。

(仕訳)
借入金 〇円    現金預金 〇円
支払利息 〇円

(3)購入型(何らかの物品やサービスを購入するもの)

 受入側の法人は、受け入れた資金はいったん前受金として計上をします。消費税は不課税となります。

(仕訳)
現金預金 〇円  前受金 〇円

 その後、税務上の収益認識方法にしたがい、資産の販売等に係る目的物の引渡しやサービス(役務)の提供をした時点で売上に振り替えます(法法22の2)。消費税は課税売上として認識します。

(仕訳)
前受金 〇円  売上高 〇円

 利用期限が設けられている場合で、その期限を徒過した場合は、その時点で、残額の前受金を受贈益として振り替えます。消費税は不課税となります。

(仕訳)
前受金 〇円  受贈益 〇円

クラウドファンディングの仲介業者への手数料

 クラウドファンディングの仲介業者への手数料を支払う場合は、支払手数料として処理します。消費税は課税仕入れとなります。

(仕訳)
支払手数料 〇円  現金預金 〇円